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▶ 昭和食堂に寄せて

 

ライター 泊 亜希子

- 舞台「チャレンジキッチン」

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レストランという場所が好きだ。フランス語のRestaurantから生まれた言葉は、回復させる場所、を意味する。空腹を満たし、健康を取り戻し、心身ともにエネルギーをチャージしてくれる場所。メニューは、お店からのメッセージであり、自然からの旬の知らせであり、料理人の詩である。

すこし大げさだけれど、私にとってはそうだ。

そうして出された料理の、お皿だけを楽しむストイックな探究者も中にはいるかもしれない。でも楽しみは皿の中だけにあらず。食事を共にする人との語らい、場の雰囲気、料理人の思いと技術にふれること。多くはそんなものを期待して、時にドレスアップして出かける。お客も料理人も給仕する人もみんな、レストランという舞台を彩る演者なのだと思う。

コロナ禍でいろんなものが減り、消え、あるいは代替された。会議や買い物はオンラインになった。食事もデリバリーできるようになった。それでも。レストランで食事を共にする、これだけは、ほかに変わるものがない。今までもこれからも、代替されることはないだろう。

なぜなら、私たちは「場」を求めているから。「平成食堂」の時にも思った。いつもの顔見知り、初めて会う人、知り合いの知り合い。今ここにいる、ただそれだけのつながり。そこで生まれる会話が、次への胎動となる。実際にそうやって「昭和食堂」は生まれた。それはサーカスみたいなものかもしれない。生まれては消える熱狂、祝祭。長く続くものなんてないかもしれない。だからこそ輝く。そして新しい輝きへと、つながっていく。

-男か女かではない、チャレンジャーかどうか

「女性は性差があって不利なので下駄をはかせてください!そう正直に言えばいいじゃないか」。こんな言葉を目にした。なるほどなあ。21世紀になってしばらく経つ。この時代、女性であることは、まだ不利なのだろうか。あるいは、もしかしたら有利なのだろうか。

最初にこのプロジェクトを聞いた時、そんなに女性を強調しなくても、というのが正直なところだった。一方で、現実にはまだまだ女性特有の見えない苦労やハンディキャップがある。実際に、小さな子どもを抱え、預かってくれる人や場所を頼りながら、夜間営業の飲食店でキャリアを重ねてきた上白石悠さん。「見返したい」というちょっと強めの言葉は、彼女に向けられてきた言葉へのリベンジでもあった。

好きな飲食の世界に携わり、楽しく仕事をしてきた。けれども「平成食堂」のチャレンジにふれて、彼女たちは気づいた。知らず知らずのうちに、補佐的な立場に満足し、納得し、落ち着いてしまっていたかもしれない。これは、私たちだけのことじゃない!後に続く人たちがいる。飲食の世界にもっと女性に入ってきてほしい。そして輝いてほしい。次の世代に、この思いを伝えることができるなら。そう願い、彼女たちは表舞台に立った。

チャレンジキッチンを企画するO’s company大上さんの思い。「女性が活躍しないことには、まちの未来はない」、そう断言する。この人は本気だ。それはHUB satsuma-sendai cityオープン当初からの願いであり、目標だ。「女性だからサポートするわけじゃないですよ。平成食堂の時は男性だった。私たちは頑張る人を後押しするだけ。男性だから、女性だからじゃないよね」と笑う。折しも「昭和食堂」プロジェクトが進むさなか、株式会社O’s companyは「薩摩川内市女性活躍推進企業」に認定された。

「昭和食堂」の夜。すべてのお客様を送り出した後には、もがき、苦しみながら、いつしか泳ぎをおぼえ、波を乗り越えた彼女たちの姿があった。緊張、安堵、感謝。いろんな感情が入りまじった涙があった。ひとつの祝祭は終わり、日常は続く。たしかな経験と自信を携え、彼女たちはそれぞれの持ち場に帰っていく。

HUB satsuma-sendai cityのビルには、こんな文字が描かれている。

It’s Your Turn. 

次はあなたの番です。

ライター 泊 亜希子

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